2021年新年のご挨拶

新年明けましておめでとうございます。

ボート部関係者におかれましては、昨年も多大なるご支援、ご声援を賜りして誠にありがとうございました。

昨年はまさに今なお第3波として、感染拡大を続けている新型コロナウイルスの蔓延一色だったことは言うまでもなく、
我々の生活はもとより、ボート部の活動としてもこれまでに類を見ない先行きの見えない中での活動を強いられました。

このホームページ上でも今まだコメントもしていない全日本大学選手権大会の出漕にはなんとか漕ぎつけたものの
昨年もこの新年の挨拶の際に「今年こそは」との意気込みを示したことが何一つ果たせなかったことに後悔も反省もあります。

今回は昨年の歩みを振り返りつつ、現在の状況を伝え、そして今後についても少しばかり触れておこうと思います。

2月も半ばに差し掛かり、日本国内でも新型コロナウイルスの脅威について世間が関心を示し始めていた頃でしたが、
いち早く大学からは活動に関する制限が通達されました。
それを受けて当部も今後の活動対応方針を話し合い、活動の一部制限や感染対策の徹底を改めて明示しました。

その時はまさかここまでの事態になるとは想像もしていませんでしたが、4月からは緊急事態宣言の発令により、
いよいよ当部の本丸でもある国立艇庫についても当然ながら利用禁止の措置がなされました。
ただこの頃には多くのスポーツ活動そのものが休止を余儀なくされていましたので、決して自分たちだけが憂き目を見ていたわけではなく、
スポーツのみならず多くの人が集うイベントなどもリスクとされ、当然のように次々と中止が発表されていました。
現にボート競技においてもお花見レガッタ、戸田レガッタ、そして全日本社会人選手権と春に予定された例年の
大会も中止となり、当部の活動についても先行きが見えない状況が続いていました。

そんな状況の最中、部員らにとっての最大の関心事は自身らが目標とする全日本大学選手権が開催されるかどうかだったと思います。
これについては当時、緊急事態宣言が解除された後に今後の活動について4年生3人と話し合いの機会をもちました。
この時点では開催されるかも全くと言っていいほど、未知な状況でありましたが、今後の活動について彼ら自身に選択を委ねたところ
全員が活動を続けると迷いのない回答をくれました。
正直自分だったらと考えたときにこの決断をできたかは自信がありませんでした。

それでもこの時の嬉しさ?安堵?の気持ちには自分自身も本当に救われた気がしました。
と同時に、自身も昨年から関東ブロックの暫定幹事として仮称大学連合会の活動していたのでインカレ開催には必ず漕ぎつけなければならないと
強くそう思うようになりました。もちろん当部のことだけを考えてのものではなく、大学ボート界にとっての大きな目標、夢、希望の象徴である
インカレが開催できないことなど誰も望んでいないのだと改めて強く感じたからです。

そこからは大学の活動制限が解除されるまでは個々の活動の延長上から徐々にではありますが、活動も再開し、
利用制限も解除された際に数か月ぶりに乗艇をした部員からは久々の新鮮さで気持ちよかったという感想すら聞こえてきました。
そして並行して自身もインカレ開催に向けて微力ながら働きかけ、ようやく開催が決まったのも開催予定日から2か月を切った頃でした。
こうした中で一歩ずつながらインカレ出漕にもなんとか漕ぎつけ、無事に上級生たちは最後のレースを終えたのです。
(ここから実際にインカレを終えた時、その日の出来事については改めて振り返る機会を作るのでここでは触れません)

その後の問題はと言うと、春の勧誘活動が宣言下であったため実施できなかったことで、新入部員獲得に向けての足掛かりは何一つありませんでした。
また当時はオンラインでの手法なども確立されておらず、例年実施していたことはすべて中止か自粛という言葉で片づけられていたため
それを打開する手立ても持てず、時間だけが過ぎていく日々でした。

それでも宣言解除後に学内での勧誘のための部活PR掲載やSNSの発信が功を奏したのか、一人の学生が興味を持ってくれ、
見学、体験、試乗会を何度か重ねた末に入部を決意してくれました。
1学年上の上級生も不在、同級生もなし、先輩たちは引退を控えているというこの状況下でも決意してくれた思いに応えるべく、
私も自らがまた水上で共に乗って指導することを再開しました。

余談になりますが、昨年、40歳という節目を迎え、一つのチャレンジを掲げ、現役復帰とまではいきませんが、
体力を取り戻すべくハードな練習を課してきましたが、無理が祟ったのか運動誘発性喘息を患わってしまいました。
それ以降も症状が落ち着かず、気管支喘息を併発したため完治は難しく、薬でのコントロールが必要となり、運動すること自体を諦めかけていました。
それでももう一度、夢や目標を持ち、トライする気持ちになれたのはこの新入生の入部がきっかけでした。

ですから上級生が抜けた今では、彼とマンツーマンでの練習で互いにボートに対して真剣に向き合い、取り組んでいます。
これは昨年の今頃、コロナ感染の拡大がここまで想像できなかったのと同じで、部の1年後にも不安や心配が付きまとい、
想像をできなかった部分でしたが、こんな苦しい現況の中でも一つの希望の光となって今、道を照らしてくれています。

現在のコロナ禍にあってスポーツだけでなく、日常生活において今までの当たり前が覆され、制限のある日々となりました。
それでも続けること、継続すること、この大変さを改めて感じますが、未来は決して暗いものではないと言い聞かせています。
当たり前だった日常ではなくても、今できることを精一杯に。そんな思いで今もまだ頑張れているような気がしています。

今年もうまくまとまらない取り留めのない話になってしまいましたので、最後に私が大切にしている『石の理論』について述べて終わりにしたいと思います。

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人は目標を決めてそれを目指すときにどのように行動するでしょうか。

目標が定まれば大抵のことはゴール、つまり目標達成の時(日数)が定まります。
目標を決めた瞬間がスタート地点です。
そのときに日々、自身が決めたこと、課したことに全力を尽くしたということの証として
一日一個石を置いていき、それを積み重ねていくとうものです。

休みなく毎日行動を行うということではありません。
その日の石をしっかり置くという目標に向けた行動をきちんととっていたのか、自分自身に問いかけながら
一日一個の石を置くということは一日一日を大切にしていくということなのです。

なんとなく過ごす一日は石をどこかに捨ててしまうことで、本来置いてくるべきだったものがないことが
不安や焦りにもつながります。
その穴埋めを後からしようと思ってももう石はありません。

チームであれば一人の意識だけではなく、皆が同じ思いで過ごしていくことが大切です。
ただ押し付けるのではなく、この意味が理解できなければ結果は同じでしょう。

そのときどきにするべき事をできる限り一生懸命やっていくこと、こうした積み重ねが大切なのです。
結果がでなかったことがすべての答えではありません。
この一日、一日にしっかりと石を置けたのであればどんなことだって乗り越えられるはずだと信じています。

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本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

2021年1月11日
青山学院大学ボート部
監督 須田 祐樹