第44回全日本大学選手権大会を終えて

8月31日(木)から9月3日(日)にかけて第44回全日本大学選手権が開催されました。
当部からは4×、2×の2種目で出漕し、部の活動を再開して以降、3年連続での出漕を果たしましたが、残念ながら本年も予選、敗者復活戦で敗れ大会を二日間で終えることとなりました。

今季は軽量級までが第Ⅰ期、そしてこのインカレが第Ⅱ期と位置付けており、すでのその2/3を終えました。
これがまた一つの区切りということで、こうして現状の報告と今、私自身が抱く想いをこうして今年も投稿させていただきます。

軽量級終了後からチームの方針として掲げたのは先々を見据えて、今年新規に加入した1年生を早い段階から育成していくというものでした。6月から7月にかけてはデビュー戦として手ごろな大会となる東日本夏季競漕への出漕を目指し、私自身も老体に鞭を打って早朝練習から現役さながらの練習に励み、実際に自分が現役を引退してから13年ぶりに公式のレースに参加もしました。

ですから当初描いていた1年生のデビュー戦という位置づけだけには止まらず、現に私自身も久々のレース出漕であると同時に初めてボートという競技を楽しむことさえできました。むしろ自分が楽しみ過ぎていて、本来の目的を最後は見失っていたのかもしれません(汗。

今までの自分の現役時代は自分を痛めつけること、一切の妥協をせず、日々追い込んだ生活の中では見えることのなかった苦しいものとは違い、それは新しいボート観とも言えるのでしょうか、そういう発見をすることもできたのです。

またそのクルーの中には今季からマネ転向を決めていた4年生の日原が1年生育成のためと私の熱意に押されてか一時的な現役復帰を果たしてくれました。日原は1年生の春からこの部に所属し、部が活動再開して4年生の最後まで競技を続けてくれた最初の部員です。寡黙な中にもひたむきさ、誠実さ、そして純粋にボートに打ち込んでくれる姿勢は本当に頼りになり、信頼に値する選手でした。

彼の引退試合ともなるこの夏季競漕で1年生は見事にデビューを果たし、本当の意味でのバトンをつないでくれました。残念ながらこのインカレへは出漕に至りませんでしたが、夏の合宿期間中も指導やサポートにあたってくれ、最後まで責務を全うしてくれました。日原、本当にありがとう。そしてお疲れさま。

またこの期間中には当部の主将の退部もありました。これには恐らく皆それぞれの思いや意見を持っていると思っています。今でも私自身は何が正しかったのか、これは正直迷うこともあります。

それでも一番大事にしたいことはチームを作ることで、それを最優先しています。それだけの立場の者は、それだけの責任が付きまとい、その覚悟も必要なのです。ただ一つ悔やまれるとすれば、何より次の行動で示すかどうか、そのチャンスが互いに見いだせなかったこと、とても残念な気持ちは今でも抱えています。

時に思います。もしあの時に見過ごすことで続けていれば部としての戦績、結果は違ったものになっていたのかもしれないと。何よりあと少しの現役生活を最後まで見届けてあげることができたのかもしれないと。それでも最優先しなければいけないことは勝つことではなく、もっと本当に大切なものが他にあるのだということです。だからこそ私自身もその責任を全うしなければいけないのだと自身に強く言い聞かせ、時に厳しく道を示すことを止めません。勝つこと、ではなく勝つために何をしなければいけないのか、これを部員たちにもう一度考えてほしい、そんな思いで今もいます。

こんないざこざはありながらも目標とした東日本夏季競漕を通過点として、新たな目標として掲げたのがこのインカレ。クルーとしては1年生を中心にすると決めていた4×に経験者の桜田、そして上級生の小林を指名しました。そして今年のはじめより休部状態にあった川村が約束通りこの夏を機に復帰し、活動を再開したので米山と昨年同様に2×での出漕を目指しました。

この夏の期間の合宿では昨年以上の日数、モーションで取り組みましたが、練習の量だけでなく、質の向上、そして何より期間中の雰囲気が違っていたのは一目瞭然でした。それは皆がインカレがすべてではなく、先につながる何かを、という思いでそれぞれが課題に取り組めていたからこそ充実した日々を過ごしていたのではないでしょうか。

結果だけを見れば今年も惨敗と思われるかもしれません。でもきっとこの悔しさでなく、経験が必ず来年に生きてきます。きっとこのインカレに出漕したメンバーは誰もが先を見ていたはずだからです。

そしてこのインカレ合宿期間中はサポート陣の支えも大きな力となり後押しをしてくれました。

4年生マネージャーの西崎にとってもこれは最後の夏でした。1年時から入部も途中での離脱も何度か?ありながらも最後はこうしてインカレまでマネージャーとして立派に活動してくれました。彼女の個性的な感性で投稿されるブログには皆が釘付けになったのではないでしょうか。

この夏も選手の食事や事務手続き、そして女子部員の指導と誰よりフル稼働で最も濃い夏を過ごしてくれたのではないでしょうか。西崎の存在なくして当部は語れない、今やそんな存在感を示すマネージャーの鏡です。本当に今までありがとう。

でも彼女にはまだ使命があります。何より後につなぐ後輩マネをきちんと育てるまで名誉マネとして今後もサポートしてくれることでしょう。

そして4年生はもう一人。この1月に入部した異色の美男子金山です。なぜこの時期に入部なのか、と誰もが思ったのかもしれませんが、彼もこの夏まで自身のできることでサポートをしてくれ、貢献してくれました。本人は一度はレースに出たいと目標を掲げる中で、東日本夏季競漕がそれにあたるレースでありながらも1年生の成長を優先してくれ、選手ではなくサポートにまわってもらうことを快く引き受けてくれました。あの気持ちがあったからこそ今につながっているのだと確信しています。こうした状況でこの部に携わり、下級生の面倒を見てくれる言わば兄貴的な存在だった彼にも感謝の気持ちで一杯です。

これがこの第Ⅱ期となるインカレまでの現場のあれやこれやです。

インカレの結果は結果です。それでもこうした様々な過程が一つひとつと実になり、それぞれは逞しく成長し、生い茂ってきていることを皆さんにお伝えしたくもあり長々とお書きしました。

監督を務めて以来、何一つ結果として示せていないではないかと批判の声もあがるかもしれません。実際に一部では部のあることないことを所々で口にされていることも耳にします。でもすべてが機能し、うまくいくことなどないのは当たり前です。それでも部は着々と進化を遂げ、一歩一歩確実に前へ進んでいます。

どんなときでも辛抱強く我慢することは必要です。批判からは何も生まれません。互いを信じること、見守ること、その先に大きな成果はあるのです。なぜなら先々を見据え、数年後にどうありたいか、どうあるべきか、常にそれが私の頭の中にはあるからなのです。私自身は彼らの成長を目の当たりにし、今でも皆への感謝の気持ちと共に戦っていきたいという強い思いがあります。それが今の私のすべてです。

またこうした活動をしていけることは陰ながらも金銭的な支援、そして温かく見守っていてくださる諸先輩方の思いがあるからこそ実現していることなのだと常々感じております。だからこそ、その使命感と責任感は誰にも負けません。その思いは夢や希望としてこの先につながっていくものだと信じています。

まだまだ夢の途中です。次なる目標は秋の新人戦です。いよいよ今季の第Ⅲ期に突入です。それまでほんの少し束の間の休息です。次に集うときにはそれぞれが大いなる夢と希望を掲げ、また次なる目標に向けて共に励んでいきましょう。

長々と書きましたが、本当にこれが最後になりますが、これまで支援をいただいた多くの関係者の皆様方へささやかながら当部のオリジナルグッズを製作いたしました。そこにはイエスキリストの名言を現役のみんなへ、またOB、OGの皆様方に、そして私自身へも綴っておりますので、今回はメッセージとして込めて送ります。

It’s accomplished that you make up your mind.
『あなたが決意することは、成就する』

2017年9月3日
青山学院大学漕艇部
監督 須田 祐樹